鶴岡東v盈進
試合が開始される前に、横に座っているおじさんから“何を書いているのか”と聞かれた。そうですねぇ、例えば野手の守備位置とか、打球が飛んだ時の野手の動きや所作、あるいは安打になった時はボールがどの野手からどの野手に渡りそれと連動してそれ以外の野手がどうバックアップしたかなどを書いています、と正直に答えた。スコアじゃないんだねと言われたので、まぁ各打者の打撃記録を書いておかないと、どの打者のときにどんなポジションを取ったのか分からなくなってしまうので…、みたいなことを答えておいた。このブログを読んでくださっている方は、わたしにこんな質問を投げかけることもないだろうけど(笑)。
それはさておき、この5年ほどで野球のやり方がいち推しなのは鶴岡東。細かいことを言いだすときりがないし、関係者に怒られちゃいそうだから敢えて具体的には書かないけれど、わたしはこの日球場に向かうとき、鶴岡東の試合が見れることが楽しみでならなかった。そして実際にその期待を裏切らないのだから、本当に恐れ入る。試合は盈進に守備の乱れがあって、鶴岡東が序盤から効果的に加点する。盈進も中盤以降に反撃して得点を返したが、終盤に来て鶴岡東が本塁打攻勢でリードを広げて継投策で逃げ切った、みたいな感じの試合だった。
…と書いてしまえばそれまでなのだけど、細かく考察すると、序盤リードを奪った鶴岡東は6回裏に失策で1点を返されて3点差に追い上げられ、さらに二死二塁のピンチが続いた。ここで0ボール2ストライクとなったところで、けん制球のサインプレー(※具体的に記述したいけど差し控えます)で二塁走者を憤死させてこのピンチをしのいだ。実はこれは仙台育英がいつぞやの試合(※わたしはしっかり覚えているけどね)でやったのと同じサインプレーなのだけど、それを今や山形県代表の鶴岡東も甲子園の勝負所で使うという現実を目の当たりにして、わたしは完全に脱帽するしかなかった。しかもわたしの帳面には書いてあるのだが、鶴岡東はこの試合ではそれまで一度も二塁へけん制球を投げていなかったはずだ(※二塁へけん制球を投げた回数を記録している)。試合の5回が終わったところでちょっと気になっていて、鶴岡東は走者を二塁に置いたときにバッテリーも二塁手と遊撃手も二塁走者への注意が足らないと思っていたのだが、実はそれは完全なモーションだったのだ(※試合中、鶴岡東は二塁けん制ができないのか?と疑念を抱き始めていた)。
そして盈進がこのサインプレーにまんまと引っかかる現実を見て、東北地方と中国地方(※広陵を除く)の野球には、相当な開きがあることを認めざるを得ないという結論に達する。昨年の大会で島根県代表が東北のチームに2連勝したけれど、それは単なる確率変動に過ぎず、選手の能力や展開する野球のレベルで中国地方は東北地方にはとてもかなわないのだ、と。


あくまで雑感ということで、試合の記録などを見ず、わたしの心に強く残ったプレーを中心にしてこの試合を振り返り、わたしの胸に去来した思いを書き綴ると、だいたいこんな感じになります。