高校野球観戦日記

高校野球を見たときことをつづります。 このブログはおもに毎年春と夏に更新しています。テレビに映らないプレーを見るのが宗旨です。

2021/07

第103回広島県大会・第15日(呉v祇園北)

行く前から分かっていたことだが、とてつもなく暑かった。しまなみ球場の構造は熟知しているので、スタンドに日陰はほとんどないことは分かっていた。それでも暑さ対策をして、息子にもその旨を十分伝え、息子の保険証を持参して球場に向かうことにした。球場に早く着いたおかげで、午前中日陰になる場所に陣取ることができたものの、午後からは照りつける直射日光の中で試合を見続けたため、体力的には相当きつかった。第二試合の途中で退出の誘惑が一瞬頭をよぎったが、一生懸命プレーしている選手諸兄の姿を改めて凝視し、日傘をさしてなんとか試合終了まで見届けることができた。

正直に書いておくと、広島県大会準決勝の2試合は、いずれも大会前にトーナメント表が決まった段階では想像だにしなかった組み合わせ。ただ、そのおかげで助かることもあり、スタンドも駐車場も、すし詰めにはほど遠い状況だった。実は、しまなみ球場は車で訪れる人が多く、状況判断を誤ってしまうと高速道路のインターまでは行けても、そこから球場までたどり着けなくなってしまうこともあるんだけどね。今日は行きも帰りもそんな混雑とは無縁の一日で、試合終了とともに退出してすぐに車で帰途に就くことができたのは、おそらく今回が初めてだったと思う。

呉v祇園北
上空は青空、上空には少し風が吹いているように感じる。しかしこの球場はネット裏で風が吹いていても、外野スタンドのほうで吹いているかどうかは分からないので、グランドで飛球が上がったときどのような影響があるのかまでは見極めきれなかった。呉の内野ノックはわざとギリギリのところに打っているのが目に留まり、息子は祇園北はボール回しなしでいきなりノックが始まったと指摘していた。
呉は#1が先発だが、祇園北の先発投手は#19、予想していた選手ではなかった。序盤は祇園北#19の制球が定まらず、呉が走者を出すものの先制点につながらない。すると3回裏、祇園北が二死二三塁から3番の右越三塁打で2点を先制する。対する呉は直後の4回表、適時打と犠飛で2-2の同点とする。祇園北は5回表の守備から#1が登板。同点に追いつかれたこともあり、前のイニングの投球を見て交代に到ったものと思われた(4回裏の攻撃で代打が出ていた)。試合はそのまま進み、迎えた6回裏、祇園北は5本の安打を集中して2点を挙げ、4-2とする。その後呉は終盤にかけて走者を出したものの、好機であと一本が出ず、そのままゲームセットになった。
祇園北がこれほど多くの安打(10本)を放つとは思っていなかったが、好機で安打が続く打撃には勢いを感じた。そしてこの試合でいちばんのファインプレーは、8回表の守備の前に左翼手を交代させていたことだろう。そのイニングの守備では二死二三塁となった場面で、呉代打#7の打球は左翼方向への大飛球だったが、前進してやや左寄りに守っていた祇園北#12は背走してうまく落下点に入り、この打球を好捕した。抜けていれば同点となり、一気に逆転のピンチを迎える場面だったが、外野手を交代させる選手起用が当たった。
呉は先発した祇園北#19に対して初回から走者を出したが、荒れ球の#19を早い段階でつかまえることができなかったことが惜しまれる。積極的な走塁で攻撃を試みたが、これが今ひとつ功を奏しなかった。右方向を狙う打撃で一度は同点に追いついたが、最後は祇園北二番手#1を打ち崩すことができなかった。


決勝戦は祇園北v広島新庄の組み合わせとなったが、祇園北投手陣が新庄打線をうまく抑えることができれば、祇園北にも勝機が見えてくる。

第103回兵庫県大会・第15日(ほっともっとフィールド神戸)

今年の兵庫県大会の方式を、おとといようやく正確に知った。5回戦以降は一試合ごとに抽選することは知っていたのだが、一会場につき1試合ずつで行うらしい。そして4回戦までを前のブロックと後ろのブロックとに分けていて、それぞれの中で5回戦、準々決勝の対戦相手を抽選することになっているとか。だから反対側のブロックに入ったチームとは、どんなに勝ち上がっても準決勝までは対戦しないことになる。逆に言うと、4回戦まで勝ち上がった段階で、5回戦での対戦相手は7チームに絞られている。

なにが言いたいかというと、同じブロックに入っていた明石商と神戸国際大付は、勝ち上がると5回戦あるいは準々決勝で対戦する可能性が高いため、もともとの段階でお互いを相当研究していたようだ。そしてそれは、明日の5回戦で対戦する市尼崎と報徳学園、あるいは東播磨と神港学園だって同じだろう。これらのチームがくじ運がいいのか悪いのかは分からないけど、兵庫県は5回戦くらいまで勝ち上がるとどこも強いチームばかりなので、強豪同士の対戦が続出する。見る側としては、以前のように一つの会場で5回戦を3試合見れたほうがいいんだけどね(笑)。

そんなわけで、5回戦の組み合わせが決まった段階で、1試合しか見ることができないと分かっていても、この試合を見逃すわけにはいかないと思った。10時開始なら、朝起きて車で球場に向かえばプレーボールにはなんとか間に合う。試合会場は何度も行ったことのある場所だから、道順を間違えることもない。娘と行く予定にしていたプールを一日先延ばしにして、息子と見に行くことに迷いはなかった。

明石商v神戸国際大付
試合前のフィールディング練習に間に合うように出発したつもりだったが、球場周辺と駐車場で思いのほか手間取ってしまい、入場券を買ってゲートで体温を測り、スタンドに到着したときすでに後攻チームのノックが残り2分ほどになっていた。球場には予想以上に多くの人が詰めかけており、日陰になる席がほとんど見当たらない。直射日光が当たる場所での観戦を覚悟して来ていたし、そのことは来る途中で息子には説明していたが、かんかん照りの日差しは想像していた以上に強い。そんなわけで周囲をざっと見渡して、一時間ほどたてば二階席の陰になりそうな席に陣取った。息子はファウルボールが怖いのと、日陰で見たいからという理由で、後ろの通路で立ってみると言う。この5年ほどの実績、過去の因縁などを考慮すると、今年の兵庫県大会で一番見たかった組み合わせで、力と力とが激突する好勝負を期待。

試合は神国付がいきなり1回表に4番の本塁打で2点を先制したが、対する明石商も4回裏に一死一二塁から5番の三塁打で2点を返して同点とする。その後は先発した神国付#9、明石商#6が踏ん張り、2-2の同点のまま試合は終盤まで進み、迎えた7回表、神国付は一死満塁から3番の適時打で2点を勝ち越すと、さらに暴投と適時打でさらに2点を追加して4点を挙げ、6-2とリードした。追う展開となった明石商は8回裏、5本の安打を集中して2点を返して6-4と2点差まで追い上げたが、最後は神国付#9が明石商に反撃を許さずこのままゲームセットになった。

・・・と、ありがちな記事風(ふう)にまとめるとこんな感じの試合になるのだが、そこに展開された個々の攻防は、単なる力だけでなく、相手に対する研究の要素がそこかしこに見られる試合だった。神国付の内野守備は、明石商の右打者に対して二塁手が深めに、そして右翼手がやや浅めに守っていることが多く、明らかに打者がバットに合わせた打球が二塁手後方に飛ぶことを意識していた。現に2回裏、打者明石商7番のときの二飛は、二塁手が芝生の上にポジションを取っていなければ右翼手の前で捕球することは不可能だったはずだ。あの守備位置のファインプレーで明石商の安打を防いだ段階で、この試合の流れは神国付だったのかもしれない。

明石商としては、4回裏に同点に追いついた直後の一死三塁の場面で一気に勝ち越しておきたかった。ランニングスクイズ、セーフティスクイズ、あるいはゴロゴーなどの細かい作戦もありうる場面だったが、それを許さない神国付#9の投球が優った。試合トータルで放った安打数、あるいは鋭い打球の飛んだ回数など、やや能力で上回る神国付が、その能力差をそのままスコアの差に直結させた試合だった。ともに守備は鍛えられており、神国付二塁手のバックアップはすさまじく俊敏だった。

なお、今日の息子君は、インフィールドフライと、投球が直接ベンチ(ボールデッドゾーン)に入ったら走者が一つ進塁することを学んだようだ(送球の場合は二つ進塁する)。スタンドの傾斜がなだらかで、低い位置から見ていた影響もあるが、昨日見た試合とくらべて打球も投球もすべてが速く、スピーディーだったことは間違いない。

第103回岡山県大会・第12日

選手権大会が原則無観客での開催となり、一般入場を認めない方針のようだ。大会主催者の収入減が危惧されるが(しかし今年の大会が開催できるということは剰余金をどんだけ貯め込んでんだとは思うが)、ほかの大会などを見る限り、致し方のない決定だと思う。いずれにしても、選手権大会は開催される方向で検討されているわけだから、それはそれで悪いことではないと思う。

今日は、決勝戦で延長タイブレーク満塁サヨナラ本塁打とか、辞退一転サヨナラ勝ちとか、出場辞退とか、他県ではいろいろあったようで。まぁ・・・、昨日すでに書き残した通りで、境がサヨナラ負けした今になってから、試合に応じた境の判断を賞賛するのは、後出しじゃんけんもいいところ。それなら試合が開催されることに決まった段階で、境の判断に対して敬意を表しておくのが本当の大人だと思うね。日本全体が、どんだけ幼稚な国なのかと思わずにはいられない。

さて今日は朝から息子と球場に出向いて、準々決勝の残り2試合を見てきた。とても暑い一日だったが、早く到着したおかげで一階席最後列の日陰になる席に陣取ることができ、風が強かったので快適観戦。7時間ほどの間、集中してグランドを眺めることができた。

創志学園v玉島商
上空は青空で強い日差しが照りつけている。そしてここの球場にしては意外なほどに強い風が、レフトからライトに向けて吹き抜けている。その風のおかげで涼しく感じるが、選手にとっては打球の処理が少し難しいなかでの試合。
創志は2回表、四球と犠打失、さらに犠打で迎えた一死二三塁からの7番の右犠飛で先制すると、3回表にも一死二塁から2番の適時二塁打で1点を追加して2-0として試合の主導権を握った。玉島商は序盤、創志#1の投球を見極めて待球することが多かったが、打順が3周目に入った6回裏に初安打が出ると、二死二塁から4番の中前安打で一塁走者が一気に本塁を陥れる好走塁で1点を返した(このプレーには打点をつけるらしい)。創志は1点差となった直後の7回表、3本の安打を集中して2点を追加すると、創志#1が玉島商の終盤の反撃を1点に抑えて4-2でゲームセットになった。
玉島商は先発した#11が思っていた以上に好投し、終盤まで僅差の試合に持ち込んだだけに、一塁走者の捕手からのけん制死や、7回裏の好機での併殺打が非常に惜しまれる。創志はこの試合では5つの犠打を決め、出塁した走者を確実に進塁させる攻撃が目に留まった。創志#1は投球数が増えた終盤には球威も制球も明らかに序盤とは違っており、玉島商打線にもつけ入る隙が十分あっただけに、スコアほどの力の差はない両チームの対戦だった。それにしても、凡打を打った時にちゃんと一塁まで駆け抜けない打者がいたり、外野手の緩慢(おそまつ)な守備で一塁からの生還を許したり、創志はこれで本当に春の中国大会で優勝したのか?というのが正直な感想である。中国地方他県の優勝候補が、続々と早期敗退している理由も納得である。

関西v倉敷商
前の試合の途中から、スタンドは目に見えて観客が増えてきた。明らかにこの試合を目当てにしてきている人が多いのだ(わたしがその一人だとは言わないが)。この試合も強い日差しのなか、そしてレフトからライトへ風が吹く中での試合。
倉敷商#10、関西#18と、ともに#1以外の投手が先発して試合開始。倉敷商は先発5人が左打者なので、左投手を当てたいという関西と意図は理解する。ただ、両先発の力量、そして打力を含めた攻撃力には未知数な部分が多く、どんな展開の試合になるのかは皆目見当がつかなかった。
試合はともに初回に1点を取り合ったあとの3回表、倉敷商は死球の走者が盗塁二つで一死三塁とし、攻撃のタイムを取った直後のランニングスクイズで1点を勝ち越した。う~ん、1ボール1ストライクでタイムを取り、まさかその次の投球でスクイズを敢行するとはわたしも見極めきれなかった。スコア2-1と1点差のまま試合は中盤まで進み、5回からは両チームともに#1が登板。ここからが本当の勝負だ。関西は6回裏、二死三塁から8番(#1)の適時打で同点とすると、8回裏には二死二塁から9番の中前適時打で1点を勝ち越して3-2と逆転し、流れは関西かに思えた。しかし対する倉敷商は9回表、四球で迎えた無死一塁から4番が右越二塁打で無死二三塁とすると、5番の左邪犠飛と中継に入った三塁手の悪送球(三失:7→5→2→・・・1H→2)で一気に2点を挙げて逆転すると、9回裏の関西の反撃を倉敷商#1が三者凡退に抑えて4-3でゲームセットになった。
う~ん、9回表の関西の守備だけど・・・、無死二三塁で内野手は前進守備で1点もやりたくない体勢を取っていただけに、左翼手は無理に捕球する必要のない左邪飛を捕球する必要はなかったのでは・・・?こう考えると、バックで守っている7人のすべての野手が、1点もやらない守備をするという意思統一が完全には図れていなかったことが本当に惜しまれる(三塁手の悪送球は仕方ないと思う)。打球が上がったとき内野手が左翼手に向かって、捕球するなと声を出すことも可能だっただけに。関西は相手を大幅に上回る12本の安打を放ち、中盤以降は鋭い打球の安打も出始めていたし、内外野の守備陣はよく守っていただけに、あと少し攻撃がかみ合って安打がつながっていればと思われる。
倉敷商は初回と9回に2本ずつ、合計4本の安打で4点を挙げるしぶとさを見せつけた。特に9回表は1点ビハインドの無死一塁から4番に強攻させて好機を広げ、逆転につなげた攻撃は見事だった。次の試合でも創志は左投手を先発させると思われるが、これを倉敷商の中軸の左打者がどう打ち崩すのかが注目である。

今日は打撃妨害出塁のときに捕手に失策をつけることや、外野に飛んでいれば邪飛でも犠飛になること、そして無死or一死一塁の際には振り逃げができない(打者に触球する必要はない)ことなどを息子に教えた。そして二死走者一塁からの生還を、わたしはスコアをつけていてよく目視していなかったが、息子はがっちり見極めていたようだ。彼を球場に連れて行く価値は、十分過ぎるほどに存在する(笑)。

余談・7月21日を前にして

とある県大会で、学校関係者にコロナ感染者が出たため出場辞退(不戦敗)となったが、そのチームの主将が“このまま終わってしまうのは辛い。何とか出場する道を模索してほしい”とツイートしたところ、様々な経緯を経て試合が行われるような事態となった。これに関して、試合ができるようになってよかったねと、賞賛するコメントが相次いでいるようだ。ソーシャルメディアが存在する今の時代でなければ、このようなことにはなっていなかっただろう。

このブログでは、思ったことを思ったとおりに書き残すことにしているので、どうしても今日のうちに、誤解を省みずにはっきりと正直な感想を書き残しておこうと思う。『不戦勝で準々決勝進出が決まっていたはずなのに、それが取り消されて、おこなう必要のなかった試合をすることになったチームのことを、みんな考えているのか?』と。

もしわたしが不戦勝だったはずのチームの主将だったら、明日の試合を前にチームを鼓舞するべく、“不戦勝でなく、試合をやっても、俺たちが本物の勝利者だということを証明しよう!!”と声を上げるだろう(これは自分なら絶対に言うと思う)。そしてもし明日の2回戦で負けてしまったりでもしたら、“準々決勝に向けて準備を進めていたのに、準々決勝の試合ができないまま終わるのは、あまりに辛い”とツイートするだろう(これは半分冗談だと思ってくれていいかも)。

まぁ・・・具体的にここには書けない内容になるけど、大会主催者のことを考えると、明日の試合をおこなう決定を下すことには反対意見が多かったはず。それゆえ今回の決定は、大英断だと言える。さらに、対戦相手の承諾を得るのも大変だったと想像する。そして、いったんは出場辞退することになったチームの主将のツイートは、ごくまっとうな問題提起だったと思えるので、そう考えていくと、いったい何が本当の問題だったのだろうと思えてくる。それに、ほかの県でも、同じような理由で出場を辞退したチームだって存在しているわけだし。

試合ができるようになってよかったなどと安易な感想ばかりが多く目につくけど、選手諸兄は結局、大人の論理に振りまわされているだけでしょう。件(くだん)の県は観客の入場を認めないことにしているようなので、わたしが明日の試合を球場で観戦することはないわけだけど、このような決定が下った以上、どんな結果になっても、それを受け入れる心構えがすべての人に求められるということだろうね。

第103回岡山県大会・第9日(倉敷マスカット球場)

今日はわが父(高校野球の師ともいえる)の誕生日であり、その父がワクチン接種を受けるというので、午前中は接種会場まで付き添いに行ってきた。高齢なのに認識能力もしっかりしていてちゃんと運転できるので、久しぶりに彼の運転する車の助手席に乗せてもらった。2回目の接種なので反応がないかと気を揉んでいたたが、特段問題もなく帰ってくることができた。家でしばらく様子を見てもらうことにしたが、その後も異常はこれといってないようだ。

そんなわけで父を実家に残したあと、明確な目的があったので、今日わたしは息子と近くの球場へ向かうことにした。その目的とは、試合会場で地元高野連に寄付をすること。昨年来、高野連は(あるいは他競技もだが)無観客での大会開催を強いられており、財政的に厳しくなっていると言われている。このためかねてから、機会があれば、試合会場で寄付を受けてもらおうと考えていたのだ。球場の正面玄関を入ったところで受け付けていると教えてもらい、思っていたとおり寄付することができた。きっとこれでよかったのだと思うし、今年他県の会場に行くことがあれば、同じようにしようと思っている。


倉敷工v岡山城東
入場する前に寄付をしたりして手間取ったため、スタンドに着いたときにはすでに8回裏まで試合が進んでいた。8回表に2点を挙げて勝ち越した城東が、終盤の倉敷工の反撃を1点に抑えて4-3で逃げ切った。倉敷工は城東#1を打ちあぐねて思っていたほど点が取れなかったようだ。まぁ・・・、あまり具体的に書ける内容ではないが、試合終盤の走者二塁の場面では、攻撃側にも守備側にも、そのプレーにはちょっと首をひねらさせられた(敢えて記さないことにするが)。

津山東v総社南
試合前のフィールディング練習のとき、ボールカウントのBSOの表示が何を表しているのかと息子が聞くので、知らないし気にしたこともないと答えると、彼の言い分は“ノックの残り時間”。言われてみると、たしかに最初は7つ光っていた電球が、1分経過ごとに一つ消えている。わたしはフィールディング練習で内野ゴロなら何分、ゲッツーなら何分、残り何分になったら外野ノック・・・というのを経験的に知っているので、スコアボードのボールカウントが残り時間を表しているとはまったく知らなかった。そんなことを親に指摘するとは、小学生のくせに末恐ろしいというか、すでにおそろしい奴だ(笑)。曇り空、レフトからライトに風が吹き抜ける中で開始された試合。
津山東#8の立ち上がりをとらえて2点を先制し試合の主導権を握った総社南が、その後も小刻みに加点して、二人の投手の継投で4-0で逃げ切った。津山東は#8が先発して序盤に失点したが、そのあと登板した#1が力投しており、攻撃では四死球で走者を多く出して反撃する機会はあっただけに、4回あるいは7回の好機で1点でも返していれば、また違った展開もあったと思う。それにしても・・・、津山東の一塁コーチャー(#13)が、二塁走者にリードを取る指示をするときコーチャーボックスの2倍ほどはみ出しているのは、ちょっとやりすぎだろ・・・(というより打者に近づき過ぎて危険)と思った。
総社南は4点目をスクイズで挙げたが、その際の三塁走者は投球がストライクコースに行くのを見てから、ボールがバットに当たる直前にスタートを切っており、このセーフティスクイズを敢行して成功させるチームが岡山県内に存在することはある意味衝撃だった。安打数は11本と2本で開きがあったが、ともに一塁手がキャンバスをちゃんと目視確認しており、しっかりした野球を展開するチームどうしの試合だった。試合の中盤以降、小雨が降りだして試合の流れに影響を与えるかにも思えたが、タイミングのいい総社南の継投がそれを許さなかった。

岡山商大付v就実
試合前に地震があり、さらにかなりの雨が降ってグランドが少し重くなっていた。その中でのフィールディング練習を見やると、まぁ内野手はボールが手につかないこと。経験上、雨が降った直後のグランドではゴロの処理が難しくなることは知っているが、ノックの打球であの様子では試合中にある程度の失策は不可避だろうと思っていたら、案の定だった。というより、試合が始まるとき息子に“この試合は失策が多くなって試合時間が長くなる”と言っておいたら、その通りになってくれたので、親としての面目を保つことができた。一連の親子の会話を聞いていたまわりの人たちは、“なんじゃい、この親子”と思っているに違いない(笑)。
プレーボール直前に就実の外野手が一部交代して、なにがあったんだろうと思ったが、相手先発が左投手だと分かかり、左打者を右打ちの野手と交代させたようだ。退いた選手は一球のプレーにも関わらなかったけど、試合には出場したことになるためこの試合ではもう交代出場はできない。ちょっと気の毒な気もしたけどね。序盤、左投げの商大付先発#9を打ちあぐねていた就実だったが、3回に4点を挙げると、その後も商大付投手陣に対して打力を発揮して15安打を放ち、最終的には11-8で逃げ切った。就実#1は序盤、好投して完投ペースかに思えたが、5回から突如制球を乱して四死球を多発し、失点を重ねてしまった。途中で気が付いたが、どうやら軸足がつっていたのに無理して続投していたようだ。
商大付も中盤以降反撃し、長打ありスクイズなどの小技ありで、最大6点差を一度は同点まで追いついたが、同点に追いついた7回表の攻撃で一気に勝ち越すことができなかった。商大付としては激しく追い上げただけに、序盤にあからさまな失策があってまとめて失点したことが惜しまれる。就実は3回裏の好機で打順が3番(左打者)にまわったが、何度かファウルで粘ったあと四球を選んで次打者につないだのが大きかった。最後は8回表から登板した就実#10が商大付の反撃を許さずゲームセットになった。
この試合では負傷者が2人も出て治療に時間がかかり、さらには地震で試合開始も遅れていたため、試合の終盤には薄暗くなり照明灯の一部が点灯された。試合時間が3時間10分もかかり、地方大会の試合としては非常に長い試合だった。


・・・と、考察した内容のすべてを書き記すことはできないですが(時間がなくて全部は書けないです)、試合の成り行きと個々のプレーとを、これまでとまぁまぁ同じようなスタンスでつぶさに観察することができたことはよかったと思っています。長時間付き合ってくれた息子には感謝していますし、また機会があれば行きたいと思っているところです。
ギャラリー
  • 高田高校選手諸兄のご活躍をお祈りいたします
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