高校野球観戦日記

高校野球を見たときことをつづります。 このブログはおもに毎年春と夏に更新しています。テレビに映らないプレーを見るのが宗旨です。

2017/08

第62回軟式選手権1回戦・篠山鳳鳴v木更津総合

今朝は5時過ぎに起きて、いつもより一本遅い山陽本線の姫路行きに乗って姫路球場へと向かった。姫路球場はバイパスから近い場所に位置しているので、普段は車で行くことが多いのだが、今回は18きっぷの期間中なので電車で行くことにした。球場に着いてみると、いつもと同じようにのんびりとした牧歌的な雰囲気が漂ってくる。こんな場所でひっそりと全国大会が行われているとは、硬式の大会とえらい違いだと思う。

上空はくもり空で、ゆるい風がライトからレフトに吹いている。この球場は昨年も訪れたが、通常ライトからレフトに風が吹き抜けるようだ。木総合の軟式のユニフォームにはオレンジが使われていないのが意外に思える。そしてよく見ると、木更津と総合のアルファベットの文字が硬式のユニフォームとは上下逆だ。そんなことを考えているうちに試合が開始された。

試合は序盤から木総合が走者を出し、2回裏と3回裏には二死二塁、4回裏には一死一二塁の好機を迎えるが、走者を得点圏に進めてから安打が出ず得点を奪えない。対する鳳鳴は、木総合先発#1に対しては走者をなかなか出せなかったが、投手交代した6回以降たびたび塁上に走者を送る。鳳鳴は6回から8回まで走者を二塁まで進めたが、木総合二番手#3が要所を抑えて得点を許さない。結局9回を終わって両チームともに4安打ずつで無得点のまま、試合は延長戦に入った。延長戦に入ってからも一進一退の攻防が続くが、走者が三塁まで進んだのが木総合の6回裏の攻撃だけという展開で、延長13回からはタイブレークに入る。ここまで両チームともに内野手がよく守っており、無失策だった。

迎えた延長13回表、1番からの攻撃を選択した鳳鳴は、無死一二塁から1番の送りバントが投安となり無死満塁となる。ここで木総合内野守備陣は前進守備を敷いたが、2番の二ゴロが二失(4→2悪投)、さらに3番の遊ゴロも相手の失策を誘い、長く続いた均衡を破って2点のリードを奪う。続く4番の左前適時打でさらに二者が生還し、この回だけで4点を挙げて4-0と大量リードを奪った。

対する木総合は延長13回裏、9番からの攻撃を選択し、9番の右前適時打で1点を返すと、二死二三塁から3番の左線適時打で2点を返して4-3と1点差まで詰め寄った。さらに死球で二死一二塁と攻め立てたが、最後は6番が空振り三振となりゲームセットになった。

このタイブレークという方式が(甲子園の公式の大会で)受け入れられるのかどうかは分からないが、12回まで無失策だった両チームが1イニングで合計3つもの失策を犯したのだから、急に塁上に複数の走者が現れて野手が戸惑ったことは間違いないだろう。そして木総合は13回表の守備で、打ち取れていた打球を確実にアウトに結び付けることができなかったことが惜しまれる。そして木総合は13回裏の攻撃で1点差まで追い上げただけに、最後にあと一本が出なかったことが悔やまれる。鳳鳴は先発した#3がタイブレークの13回も含めて最後までよく投げ切ったと思う。

第99回選手権3回戦・聖光学院v広陵

晴天のなか、やや強い浜風が吹き抜けている。グランドには大量の水が撒かれて土がまた黒っぽくなった。聖光は先発が#1ではないようだ。野球の試合の進め方や、控え選手の試合への関わり方など、似た要素を多く持つチームどうしの対戦。球場にいなければ分からない選手の動きが非常に多く、スタンドにいて目の離せない攻防の連続となることだけは間違いない。そして2007年以降、この両チームの対戦は3度目だが、そのすべてに立ちあうことができることには因縁めいたものを感じる。
広陵は1回表、聖光先発#11の立ち上がりを攻め、二死二三塁と先制の好機を迎えるが5番が倒れて逸機する。5番打者のときには暴投があって走者が二三塁へ進塁したのだが、進塁後に聖光ベンチが右翼手に少し前に守るように指示をしていた。個々のプレーに対する執着心が尋常ではないと感じる。対する聖光は1回裏、二死後に3番が左越本塁打を放って1点を先制する。いきなり本塁打で試合が動く展開は想像していなかった。
しかし広陵も即座に反撃し、2回表に四球を足がかりとして8番の二塁打と1番の右前適時打で2点を挙げて逆転する。そして聖光は3回裏の攻撃で打順が9番に回ったときにいきなり代打#15を送り、序盤から投手交代して継投策に出る。聖光二番手#13が4回表と5回表の広陵の攻撃をなんとか抑えると、聖光は5回裏に8番の左越本塁打で2-2の同点に追いつき、さらに一死二三塁として2番の右前適時打でさらに2点を挙げて4-2と逆転した。
追う展開となった広陵はグランド整備の後の6回表、このイニングから登板した聖光三番手#1を攻め、2本の安打と敵失で迎えた二死満塁から3番の中前適時打で二者が生還して4-4の同点に再び追いつく。同点となった後は聖光#1と広陵二番手#10が好投し、試合はこう着して終盤勝負になった。
迎えた9回表、広陵は先頭2番がイレギュラーした内野安打で出塁すると、続く3番が左越本塁打を放って6-4とリードを奪う。この本塁打のときの打球音と、スタンドから沸き起こったどよめきは凄まじかった。打った広陵#2がスイングした直後にガッツポーズをするほどの凄まじい打球だった。その裏、聖光も反撃したかったが三者凡退で攻撃を終了して6-4でゲームセットになった。
広陵としては二番手で登板した#10が、聖光に6回以降は安打を許さない好投を見せたことが終盤での勝ち越しにつながったと思う。そして随所で見られた内野手の好守備が投手を助けていたことは間違いないだろう。そして広陵#1は初回に本塁打を打たれたとき、打球の飛んだ方向すら見ずにスパイクの紐を結びなおしていたことが目に留まった。
聖光としては勝つチャンスはあっただけに、広陵#2の一発にやられてしまったという印象である。5回裏の攻撃で2点を勝ち越した後、なおも二死一二塁の好機でさらに突き放しておけば、広陵としても追い上げるには苦しい展開になっていただろう。そして8回裏の攻撃では先頭打者を出塁させたものの、バントが相手捕手の好フィールディングで併殺になり、走者を進塁させることができなかったことが惜しまれる。そして6回表の守備なのだが・・・、二死無走者から安打二本で一二塁と攻められたが、広陵2番の投ゴロの打球をうまく処理しておけば打順は3番まで回ることはなかったわけで、同点となる適時打もなかったと思えるだけに惜しまれる。試合終了のあと校歌斉唱が終わっても、聖光#1はずっと泣いていたけれど、負けた責任をそんなに自分一人で背負う必要はないと思う。そんなに泣いていたら幸せな人生が送れないぞ、などと彼の所作をスタンドで見ながら思っていたが、さすがにあれほどまでに泣かれてしまうと、この試合に立ちあった者として胸が痛んでならなかった。笑顔で福島へ帰ってね。
両チームともに打者や状況によって野手の守備位置を細かく変えていたし、一塁走者のリードを取る位置がカウントによって変わる場面もあった。私が観察しきれないほどの細かい要素が複雑に絡み合ったナイスゲームだったが、そんな細かい要素を広陵#2の本塁打がすべて吹き飛ばしてしまったような印象の試合だった。
 
後日付記:この試合の広陵の応援で、アフリカンシンフォニーのときにタオル回しをやっていないので怪訝に思っていたが、どうやら主催者が応援団にタオル回しを自粛するよう要請していたようだ。アルプススタンドに陣取る応援団に自粛を要請するのなら、ネット裏や内野席に来ている一般の観客にも自粛するよう要請することは可能だろう。

第99回選手権3回戦・大阪桐蔭v仙台育英

上空は雲がなくほとんど快晴で、強い浜風がライトからレフトに吹き抜けている。前の試合が終わってもほとんど観衆が減らないまま、内野も外野もスタンドがほぼ満員の状態で試合開始になった。大桐蔭は前の2試合を比べて打順をいじっている。試合前のフィールディング練習では、大桐蔭の外野手からの返球はことごとく正確で、コントロールに寸分の狂いもなかった。
序盤から大桐蔭の攻撃力が炸裂するのかと思って試合を見ていたが、仙育英#1がいい立ち上がりを見せ大桐蔭打線を無得点に抑える。仙育英の外野手はそれなりに深く守っており、相手打線に対する敬意が感じられるのだが、いかんせん#1の投球が上回っているという印象だ。対する大桐蔭先発#11も走者を許すものの、連打を許さず進塁を許さない。序盤の様子から見て確実に投手戦の様相になってきた。
試合が動くきっかけが見つからないまま迎えた4回表、大桐蔭は3番が左中間への二塁打で出塁すると、次打者の内野ゴロの間に三塁へ進塁する。打順が中軸だからという理由で強攻策をとる大桐蔭の作戦には賛同するが、そのような状況で確実に進塁打を打つ打撃技術には恐れ入る。この試合で初めて走者が三塁まで進塁し、どのような攻撃で先制点を狙いにくるのかと注視していたが、続く5番と6番はいずれも強攻して二ゴロに終わり逸機する。ともに投手がよく投げているだけでなく、両チームの内野手の守備が機敏で軽快だ。
次の好機は仙育英に訪れ、5回裏の攻撃で先頭6番が安打で出塁する。ここでいきなり代打#17を打席に送るので、何を仕掛けるのかと思いきや、単純な送りバント。どうやら仙育英は犠打専門の控え選手をベンチに置いているようで恐れ入る。しかし迎えた一死二塁の好機も、後続が倒れて無得点に終わる。両先発が好投して投手戦になり、細かいミスや長打が勝負を分けそうな展開になった。薄暮ナイターになったとき、野手が打球を見失ったりしないかと思った(※2008年の3回戦で仙育英が横浜と対戦した時に失点したきっかけである)。
その後も一進一退の投手戦が続き、照明が点灯されて迎えた8回表、大桐蔭は2番が左線二塁打で出塁すると、続く3番の詰まった当たりの左線安打で生還して1点を先制する。長く続いた均衡がようやく破られた。対する仙育英も直後の8回裏に反撃し、盗塁死で好機が潰えたかに見えた二死後に四球と死球で二死一二塁とする。ここで2番の打球が左前安打となり、二塁走者は本塁を狙ったが憤死となり逸機する。流れは大桐蔭と思われた。
そして1-0のまま迎えた9回裏、仙育英は二死後に5番が中前安打で出塁すると、二塁盗塁を成功させて好機を広げる。さらに四球で二死一二塁となり、7番が放った打球は遊ゴロとなるも、送球を受けた一塁手の足がキャンバスに触塁していないとの判断で出塁する(一失)。そして迎えた二死満塁から、代走が出た関係で9回表の守備から出場していた8番#16が中越二塁打を放って二者が生還し、2-1でゲームセットになった。
う~ん、こんな結末になろうとは、球場にいた誰も予想しえなかっただろう。試合終了から校歌斉唱が終わるまでの間も、応援団にあいさつに行くときも、大桐蔭#11はずっと泣いていたけれど・・・、彼の姿を見て私もさすがに胸が締め付けられそうな思いがした。そして彼の横にはこの試合で登板しなかった#1がずっと寄り添っていて、頼りになるとともに優しい先輩なのだと感じた。大桐蔭は泣いている選手が多かったが、その誰も甲子園球場の土を持って帰らないままグランドに一礼して通路に引き上げていく様子を見て、これぞ王者の矜恃と感じずにはいられなかった。
仙育英としては、細かい要素を含めて9イニングでの失点を最小限に抑えたことが最終回での逆転につながった。8回表に先制点を許した場面では、打球を処理した左翼手が本塁へ投げるふりをして打者走者を誘い出し、二塁へ送球して打者走者を憤死させていた。9回表の守備でも走者を許したが、走者一塁からエンドランを仕掛けられたにもかかわらず、素早い打球処理で5→4→3の併殺を完成させてその裏の攻撃に結びつけた。特に8回裏の攻撃で#1が二塁から全力疾走して本塁まで走っていたので、全員の力で9回表の守備を無失点に抑えたことが大きかった。そして9回裏の二塁盗塁は、原貢さんが率いていた東海大相模もやったことのある作戦なので、初球から私は一塁走者の所作を注視していた(※ニュースステーションに出演した原辰徳さんが言っていた)。
野球の試合は勝負事である以上、何らかの形で勝敗を決めなければならない。たしかにこの日の試合では大桐蔭は勝者にならなかったのかもしれないけれど、だからと言って大桐蔭が何かに負けたとは私にはいまだに思えないし、試合に負けたことが受け入れられないでいる(もちろん仙育英は勝利に値したのだが)。内野ゴロが飛ぶたびに大桐蔭#4と#2が全力疾走でバックアップに走る様子や、外野手からの正確な本塁返球を見ていると、彼らのプレーもまた十分勝利に値したと思える。そして、勝負を分けるプレーに直接的に関わったからといって、誰も大桐蔭#11や#3を責めたりしないだろう。またいずれ必ずその機会はあるのだから、この先の人生で勝利者となる日が来ることを願っていたい。
それにしても、9回裏の得点機となる場面で、スタンドにいる観客がなにか闇雲にタオルを回して球場全体を煽るような行為に及ぶことには、いささかの興ざめな感情と憤りを禁じ得ない。この試合が劇的な結末となったことは誰の目にも明らかだが、その背後には品のない観衆の行動があったことは見逃してはならないと思うし、何かしらの対策を講じる必要性を感じずにはいられない試合であった。
 
試合終了のサイレンとともに、泣きじゃくる大桐蔭#11の姿を見つつ、流れてくる校歌の歌詞は“♪・・・青葉城~あぁ松島や、千賀の浦~・・・”(※私はもと仙台市民である)、そして甲子園の土を持って帰らず毅然と球場を去っていく大桐蔭の選手諸兄を見ていると、さすがの私もスタンドで涙を流さずにはいられなかった。鬼のような私の目にさえも、涙をにじませるほどのナイスゲームだったと、両チームの選手諸兄には万雷の拍手を贈りたい。

第99回選手権・第11日

今朝は5時半に起きてホテルの近くのコンビんで氷を買い込み、地下鉄と阪神電車で球場へと向かった。昨夜は10時過ぎには寝ていたので、身体の調子はすこぶる良いと感じた。少なくとも、足が猛烈にむくんで靴下のゴムが食い込み、内出血していた先週と比べると、体調は格段にいいと感じた。球場に着いたのが6:45で、その12時間後、まさかあのような結末の場に立ちあうことになろうとは・・・。今日最後まで球場にいた人は、確実に高校野球にはまるだろうね(笑)。

済美v盛岡大付
序盤に済美が先制すると、一度は逆転されたものの、直後に満塁本塁打で同点に追いつく。そして6-6の同点で迎えた7回裏、済美は2番の本塁打で1点を勝ち越した。対する盛大付は9回表、3番の本塁打で同点に追いつくと、延長10回表にも3番が本塁打を放つなど一挙5点を挙げて12-7としてゲームセットになった。済美はリードした展開で投手リレーを#1につないだので、なんとか9回で試合を終わらせたかったが、盛大付の長打力がそれを許さなかった。終盤までもつれる展開となったが、安打数は19本と6本であり、攻撃力にはいささかの差があった。

前橋育英v花咲徳栄
初回に4安打を集中して4点を挙げた花徳栄が試合の主導権を握り、中盤以降も確実に加点してリードを広げ、前育英の反撃を継投でしのいで10-4でゲームセットになった。試合の流れで言うと、1回表の4点で流れがほぼ決したように思えたが、花徳栄の先制攻撃が見事だった。前育英としては初回の失点は仕方ないにしても、1回裏と2回裏に1点を返した後にも得点圏に走者を進めていたので、その好機でさらに得点を返して早い段階で得点差を縮めておきたかった。安打数は13本と11本で大きな差はなかったが、前育英は後手に回ったため攻撃がいまひとつかみ合わなかった。

聖光学院v広陵
初回に聖光が本塁打で先制すると、2回表に広陵が逆転し、さらに5回裏に聖光が3点を挙げて再逆転する展開に。グランド整備の後の6回表、広陵は二死満塁から3番の適時打で2点を挙げて4-4の同点に追いつくと、さらに9回表には無死一塁から3番が左越本塁打を放って6-4と勝ち越し、そのままゲームセットになった。聖光としては5回裏に逆転した直後の6回表の守備の二死一二塁の場面で、攻守交代になるかに思えた投ゴロをファンブルしてしまい、打順を3番まで回してしまったことが惜しまれる。そして試合の終盤は広陵二番手#10に打線が抑えられてしまい、安打を放つことができなかった。広陵としてはリードを奪われる展開となっても、バックの好守で失点を最小限に防いだことが終盤での逆転につながった。

大阪桐蔭v仙台育英
まさか、あんな結末が待ち構えていようとはね・・・。序盤から両投手が好投して、今年の大会では珍しい投手戦になった。ともに安打は放つものの相手投手の投球がよく、攻撃がつながらない。両チーム無得点で迎えた8回表、大桐蔭は2番の二塁打で一死二塁とすると、続く3番の左前適時打で1点を先制する。その裏仙台育英も二死二塁から2番が左前安打を放ったが、二塁走者が本塁憤死して逸機し、試合の流れは大桐蔭と思われた。しかし仙育英は9回裏、二死後に安打で出塁した走者を盗塁で二塁に進塁させると、四球と敵失で満塁としたあと8番交代出場していた#16が中越二塁打を放って二者が生還し、2-1でゲームセットになった。仙育英としては#1が最後までよく投げ、バックがよく守ったことが土壇場での逆転につながった。大桐蔭は先発した#11が好投して1-0のまま逃げ切れるかに思えたが、守備でのわずかな綻びを相手が見逃してくれなかった。

明日の準々決勝はどうなるのだろうか。

三本松v東海大菅生
三本松はおそらく先発するであろう#1が3点くらいまでに抑えれば勝機が開ける。東海菅は攻撃力を前面に出して得点を取り合う展開に持ち込めば有利な展開になりそうだ。

天理v明豊
天理は誰が先発するのかわからないが、打たせて取る投球をするので、バックがしっかり守りたい。3~4点の勝負に持ち込めば天理の勝負強さが生きそうだ。明豊はおそらく継投策だろうが、できれば先制して点を取り合う展開に持ち込んで、有利な状況で投手リレーしたいところだ。

広陵v仙台育英
仙育英は#1が先発するのかそれ以外の投手が先発するのか分からないが、いずれにせよ広陵の攻撃力を抑え込んで3~4点以内の勝負に持ち込みたい。全体的な攻撃力では広陵に一日の長があるように思えるので、それ以上の得点を取り合う展開になれば広陵が有利と思える。

盛岡大付v花咲徳栄
ともに攻撃力に自信を持ち、ある程度の得点を奪い合う展開が予想される。5~7点を取り合うと思われるが、投手交代のタイミングをはじめ、失点を最小限に防いだほうが勝利に近づきそうだ。花徳栄はいずれに試合でも初回の攻撃で得点を挙げているので、盛大付の先発投手がそれをどのように防ぐのかにも注目だろう。

第99回選手権・第10日

今朝6時前に神戸元町のホテルで目が覚めた時には強い雨が降っており、とても試合など開催できる天気ではないようにも思えた。しかしその後は天気が回復する予報だと知っていたので、雨が少し降る中、六甲山にかかる灰色の雨雲を見ながら元町から阪神電車で甲子園球場へ向かった。球場に着いたのは7:15頃で、チケット売り場には長い列ができていたが、それを見ながら入場門へと急いだ。事情があって今日だけは中央特別自由席なので、いつもと違う7号門からスタンドに入った。グランドはシートで覆われていたようだったが、それでも土の部分が濡れており黒っぽい色をしていた。少々水を含んだグランドで、薄暗いなか試合を見ることにした。

神戸国際大付v天理
2回に1点を取りあったまま両投手が好投して延長戦になり、11回表に天理が8番の適時打で1点を挙げて2-1としてそのままゲームセットになった。神国付は試合の終盤に毎回のように得点圏まで走者を進めたが、あと一本が出なかったことが惜しまれる。特に8回裏は一死満塁で中軸に打順が回ったのだが、天理#1がピンチの場面でも落ち着いていた。
薄暗い中で開始されたこの試合は、内野の照明が点灯されて開始された。朝の試合で照明灯がつけられているのを見たのは、2日連続で降雨ノーゲームになった如水館v高知の試合以来かなぁ…。

三本松v二松学舎大付
5回表にスクイズで1点を先制した三本松が、中盤から終盤にかけても効果的に加点し、二松付の反撃を2点に抑えて5-2でゲームセットになった。二松付は初回、2回裏と先頭打者を出塁させたものの、1回裏はバント失敗、2回裏は強攻策が併殺になり、攻撃の流れを失ってしまったことが惜しまれる。走者を許しても落ち着いて投球する三本松#1は、二松付打線に連打を許さない投球が光った。

明豊v神村学園
序盤に神村#1を攻めた明豊が中盤以降リードを広げ、7回裏に2点を加えて5-1とした。その後神村が反撃し、8回表に1点、9回表に3点を挙げて5-5の同点として延長戦になった。延長12回表、神村は二死満塁から1番のバント安打と敵失で3点を勝ち越したが、その裏明豊は二死無走者から安打2本と四球で満塁とし、暴投と適時打で8-8の同点とすると、最後は押し出し四球を選んで9-8とサヨナラ勝ちした。最後の場面では三塁走者はちゃんと本塁を踏んでいたし、打者も一塁に触塁していた。神村としては9回表に一挙3点を挙げて同点とした後の好機で打順が中軸に回ったので、ここで一気に勝ち越しておきたかった。

東海大菅生v青森山田
序盤から力強いスイングで強い打球を放った東海菅が、攻撃力を余すところなく発揮して次々と走者を還してリードを広げた。東海菅は最終的に19安打を放ち、9-1でゲームセットになった。青山田は序盤に大量失点してしまい、攻撃も選手起用もすべてが後手に回ったことが惜しまれる。
ところで東海菅が好機のとき演奏する菅生MIXだが、この曲のもと歌はかっぽれねぶたという曲のはずだ。昨年出場していた八王子も演奏していたが、もともとこの曲を最初に演奏したのは青山田のはずで、たしか20世紀のころから演奏していたと記憶している。1999年の青森山田v九州学院の試合ではすでに流れていたように思うが、青山田は最近ではこの曲を演奏しないのかなと思った。そうはいっても、青山田は少ない人数ながら演奏の音がまとまっており、力強く演奏するねぶた節が聞こえてきてうれしかった。らっせらー、らっせらー…と跳人のリズムを刻みつつ、青森在住の友人のことをスタンドで思い出していた。

明日の3回戦は、どの試合もそれぞれに注目だ。

済美v盛岡大付
ともに打力が看板の両チームだけに、済美#1がどれほど盛大付打線の攻撃を抑えるか。盛大付は投手が複数いるはずで、うまく継投で相手の攻撃をかわしたい。

前橋育英v花咲徳栄
これまた攻撃力に自信のある関東のチームどうしの対戦。前育英は明徳との試合では3点しか上げることができなかったが、攻撃力はほぼ五分と思われる。5~6点くらいの点の取り合いが予想され、投手交代が勝敗のカギになるかもしれない。

聖光学院v広陵
2007年3回戦、2010年2回戦に続き、3度の対戦となるこの両チーム。そして過去2度、いずれもこの組み合わせを私は現場で見ているが、聖光はこの十年間、広陵の試合の進め方を模倣して強くなってきた節がある(具体的には記さないが)。ともに#1が先発してある程度のイニングを投げるものと思われるが、お互いの打線がどのように打ち崩して得点を挙げるのかに注目だ。カウントによってのエンドラン、状況に応じての進塁打、野手のポジショニングなど、細かい要素が試合を分ける可能性が大いにあるので、通好みの試合となることだけは間違いない。

大阪桐蔭v仙台育英
大桐蔭打線と、仙育英#1との対決に注目だ。3~4点以内の勝負に持ち込まないと、仙育英に勝機は生まれない。得点を取り合う展開なら大桐蔭が有利になるが、仙育英#1が相手打線をどのように抑えるのかで勝負の行方が見えてくる。

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  • 高田高校選手諸兄のご活躍をお祈りいたします
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