高校野球観戦日記

高校野球を見たときことをつづります。 このブログはおもに毎年春と夏に更新しています。テレビに映らないプレーを見るのが宗旨です。

2015/03

第87回選抜準々決勝・静岡v敦賀気比

前の試合の途中からかなり降りだした雨は強さを増す一方で、両チームのフィールディング練習が終わる頃にはグランドに水が浮き始めた。バッターボックスの周辺やマウンド、そして内野の一部に砂を入れ、どうにか試合開始にこぎつけた。上空は無風のようだが、間断なく雨が降りつけるなかでの試合となった。水が浮いたり砂を入れたりすると、スタンドからはボールがちょっと見えにくいと感じる。
完全な雨中戦となったが、敦気比打線が静岡#1の立ち上がりをとらえる。1回裏に4番の本塁打で2点を先制すると、2回裏にも1点を加えて3-0と試合の主導権を握った。3回裏から静岡は#10が登板し、走者は許すものの敦気比の攻撃を抑える。静岡は5回表、2本の安打と四球で無死満塁とし、犠打(ランニングスクイズ)と敵失で一気に3-3の同点に追いついた。さすがにこのイニングの攻撃などはグランドに水が浮いて反射しており、雨の影響が否めない状況だったので、守っている敦気比には気の毒だった。5回が終わったところでグランド整備をおこなうが、これまでに見たことがないほど大量の砂をグランドに入れている。試合が終わったあとで、まいた砂を集めて回収する阪神園芸も気の毒だ。その量はざっと見て手押し車20台分くらいか。結局試合は25分近く中断し、内野の半分くらいが白っぽくなって試合は再開された。
この天気でまだ試合を続行するのかと思ったが、主催者側は雨雲の動きを察知しており、この時間帯を過ぎれば雨雲が通りすぎると分かっていたようだ。中断後も両投手は雨の影響を感じさせない投球を続け、3-3のまま迎えた9回裏に敦気比は二死一二塁から3番が左線二塁打を放って4-3でサヨナラ勝ちした。正直なところ、雨の影響による失策などで試合が決着しないでよかったと思った。
静岡は打力でやや後手に回るため、7回表に一死三塁からのランニングスクイズが空振りになって三塁走者が憤死したことが惜しまれる。この場面は三塁走者がややスタートを遅らせており、投球がストライクコースであることを見極めてからスタートを切っていただけに、打者はなんとかバットに当ててファウルにしてほしかった。二番手で登板した#10が終盤までよく投げていただけに、なんとか援護したかった。
敦気比は初回から静岡#1を打ち崩して先制したが、2回裏に1点を追加したあとの好機でさらに得点を挙げていれば、もっと楽な展開になっていたはずだ。敦気比打線は鋭い振りが目に留まるし、この試合でも10本の安打を放ったが、左投げの静岡#10に苦労していたのが意外だった。次の試合でも左投手との対戦となるため、攻撃陣が打ち崩せないと苦しくなりそうだ。

第87回選抜準々決勝・大阪桐蔭v常総学院

今日は地元大阪のチームが第一試合だったので、少し早めに球場へ向かうことにした。球場に着いたのが7:20くらいだったが、すでにチケット売り場には長蛇の列ができていた。列に並んで間もなく、雨も落ち始める。並んでいる間は何もすることがないので球場の桜を眺めるが、この一日の間に一気に開花したように思う。結局40分あまり並んで入場券を買い、スタンドに到着したのが8時過ぎ。すでに後攻チームのノックは終わっていて、先攻の常総がノックをしている最中だった。
実は先週見た試合で、常総のシートノックとボール回しが凄まじすぎたので、これを動画撮影してやろうと思ってビデオカメラを持ってきていた。ところが、この日のノックは普通のフィールディング練習だけ。どうやら全国大会の初戦は球場が変わるので、その視界に慣れるためにより多くボールを送球させようとしていたようだ。一度試合をおこなって慣れてしまえば、普段どおりでいいと考えるのは自然なことに思えた。それにしても、あのボール回しはまた機会があれば見てみたいものだ。
上空はほぼ無風、小雨が降るなかでの試合となったが、初回に本塁打が出で常総がリードする展開で試合が進む。先制された大桐蔭は3回裏、1番の左犠飛で同点に追いつく。直後の4回表、常総は二死満塁から9番の適時打で2点を挙げて3-1と再びリードする。またも追う展開になった大桐蔭は5回裏に7番の本塁打で1点を返すと、7回裏には二死無走者から7番と8番の連打で同点に追いつくと、9番の遊ゴロが敵失を誘って二塁走者が還り4-3と逆転した。大桐蔭は8回裏にも1点を追加して2点差とし、常総の9回表の攻撃は二死二三塁まで迫ったが最後はしのいで5-3でゲームセットになった。
試合の中盤からは雨の影響が否めない試合となり、常総は3つの失策がすべて失点につながったのが痛かった。特に7回裏の勝ち越し点となる場面は、止めるのが決して不可能な打球ではなかっただけに非常に惜しまれる。そして常総は初回を除いて、打線の中軸と肝心の1番に当たりが出なくて追加点を挙げることができなかった。
大桐蔭はリードされる展開となったが、5回表に二死一塁から二塁打を打たれたものの外野からの正確な返球で一塁走者を本塁憤死とさせるなど、失点を最小限に抑えたことが終盤での逆転につながった。大桐蔭も中軸に安打がなかったが、走者を得点圏に進めたイニングで確実に得点を挙げる勝負強さが光った。意外なことだが、大桐蔭#12(一塁手)は相手打者走者の触塁をちゃんと目視確認していた。それにしても・・・、クマムシのあったかいんだからぁを演奏するとは、大桐蔭のブラスには恐れ入る。

第87回選抜・第8日

今朝は早起きして甲子園球場へ向かった。甲子園駅の桜を球場に着いた時に見ると、1分咲き程度だが少し開きかけていた。しかし一日が終わって帰る時に改めて見ると、暖かかったため半日ほどの間に多くのつぼみが開いたようだった。今日は春の日差しが照りつけるとても温かい一日で、予定通りに2回戦の残り3試合がおこなわれた。
 
県岐阜商v近江
う~ん、実は球場の桜に見とれて遅くなったわけではないのだが、スタンドに着いたのが9:05頃。スコアボードを見ると、1回表に県岐商が2点を先制して攻撃を終了していた。この試合は投手戦が予想され、どちらが勝つにしても2-1とか3-1のスコアになるだろうと思っていたので、正直なところすでに決勝点が入ってしまったと落胆(笑)。まわりに座っていた人に聞くと、1回表の攻撃で県岐商に3本の長打が出て2点が入ったそうだ。近江#1の立ち上がりを、県岐商打線が逃さずとらえたということか。この段階で試合の焦点は近江打線が県岐商#1をどう打ち崩すかの一点に絞られたと思いながら、その後の成り行きを眺めていたが、終盤に走者を許したものの最後まで県岐商#1の投球が近江打線を優り3-0でゲームセットになった。やや打線の力に劣る近江としては、先制する展開に持ち込みたかった。
リードされる展開となった近江は6回の攻撃で代打を送ったため、終盤は継投策に出た。そこで登板した二人の控え投手が、私が思った以上にいい投球を見せてくれた。7回表の守備では、このイニングから登板した#18の近くへ何度も三塁手や一塁手が駆け寄って声をかけていた。勝敗は抜きにして、こういう姿を見ているとまた彼らが投げる姿を見てみたいと思う。夏を楽しみにしていよう。
県岐商#1は無理のないゆったりした投球フォームで、ピュッと来る感じの直球がほぼ常時140キロを超えていた。相当スピンが利いているのだろうと想像できる。話に聞いていた通りの好投手だった。準々決勝以降は連戦になるため、明日の試合で登板するかどうかは分らないと思うが…。
 
天理v健大高崎
この試合の途中くらいから、浜風が強く吹き出した。攻撃力上位のチーム同士の対戦と考え、どちらが勝つにしても5-2とか6-3くらいになるのではないかと思っていたが、両投手が好投して僅差の投手戦になった。終盤に健大高が勝ち越し点を挙げて3-1でゲームセットになった。
7回裏の決勝点は、一死二三塁からの一ゴロ一封(3→4A)の間に三塁走者が生還した。この場面、三塁走者はゴロゴーでスタートを切りかけたが、一塁手が捕球するのを見ていったん止まったはず。これを見た一塁手はベースカバーに入った二塁手に軽くトスしたが、ここは打者走者をタッチしてアウトにするところだろう。バントシフトの練習でライン際の打球はタッチするように習慣づけられているはずだから、三塁走者が止まったのを見て安心して、この時だけ気が緩んだのかなと思う。一塁手を責めるつもりもないのだが、それ以上に健大高の走塁が機敏で見事だった。ほかの場面では(8回裏の攻撃)、一死二塁からの三塁ゴロで、捕球した三塁手が二塁走者を帰塁させておきながら、それでも一塁への送球の間に三塁を陥れていた。ここ数年、健大高の走塁(盗塁だけではない)は全国大会の現場でたびたび注意して見させてもらっているが、この試合でもそれが威力を発揮した。
ちなみにこの試合で健大高の選手は、相手投手のモーションのくせなどは分かっていなかったようだ。一塁に出塁すると、基本的には二塁方向にやや半身の姿勢で、けん制球が来たら帰塁できる大きさのリードをやや外野方向へ取っていることが多かった。そして打者への投球の場合でも、一塁走者がベースに戻る動きをする場面が多く見られた。左投手との対戦だったため、なるべく大きいリードを取っているように相手に見せようとしていたのだろう。
天理としては持ち前の打力を発揮して、ようやく7回表に同点に追いついただけにその裏の守備で勝ち越し点を許したのが痛かった。健大高#1の投球の前にやや打線が不発に終わり、安打が続かなかった。
 
松山東v東海大四
気がつくと私の周りには緑色の松山東のメガホンを持った人が大勢いる。内野席だけでなく、外野のライトスタンドにも緑のメガホンが見えた。相当数(8000人とか1万近い数)の人が応援に来ているのかと思わされる。時おり聞こえてくる歓声は地鳴りのようでもある。これだけの応援を見るのは久しぶりだ(すぐに思い出すのは98年の関大一だが)。その応援を力に変え、松山東は初回に4番の本塁打で2点を先制してこのリードを守り続けたが、8回裏に東海四打線が5安打を集中して3-2と逆転し、このままゲームセットになった。
松山東としては、逆転される前の8回表の攻撃で安打が2本出たものの、走塁やバントのミスがあって追加点を挙げることができなかったことが惜しまれる。そして一死二三塁で4番を迎えて逆転となる場面だが、その前の打者の二塁後方への打球で打者走者の二塁進塁を許したのが痛かった(記録は中前二塁打)。あの打球を単打に留めておけば、内野守備陣が前進守備を敷くこともなく(1点差の一三塁なら併殺狙いだろう)、4番の打球が右前に抜けていったかどうか…(すいません、結果論で語るのはよくない悪癖です)。
東海四は中盤まで再三のように好機を迎え、あと一本が出ないもどかしい展開だったが、終盤にきて打線がようやくつながった。2点のリードを許したあと、東海四#1が追加点を許さなかったことが最終的に逆転を呼び込んだと思う。

第87回選抜・第3日

昨日までの2日と違って、今日は朝から冷え込む一日だった。風もしばしば舞っており、風向きが何度も変わっていた。しかし天気はよくて日差しが差すなかで予定通り3試合がおこなわれた。

 
奈良大付v敦賀気比
奈大付が勝つためにはどうにかして敦気比#1を打ち崩さなければならないと思って見ていたが、試合を通じてつけ入る隙がほとんどなくて、敦気比#1の投球に馬力負けしてしまった。奈大付#1もよく投げたが敦気比打線の打力が上回り、敦気比は2回裏に7番の適時二塁打で先制すると、3回裏と7回裏にも犠飛で1点ずつを追加して3-0で完封勝ちした。
それにしても・・・、敦気比#1が5回裏に放った右越二塁打は、右翼手がフェンス手前まで下がって守っていたにもかかわらず、頭上を越してフェンスを直撃する凄まじい打球だった。今日は一日を通じて左翼から右翼方向に風が吹いていることが多く、敦気比が右翼方向へ放った打球が風に押されて伸びた場面もあったかなと思う。奈大付は#10、#11も登板したがいずれもいい投手だったので、もっと見てみたいチームだった。
 

仙台育英v神村学園
初回から仙育英の打力を含めた個の能力が炸裂し、神村#1の立ち上がりをとらえて試合の主導権を握った。先頭打者を出塁させてもバントを使わず強攻策に徹していた。中盤以降も持ち前の打力を遺憾なく発揮して18安打を放って12-0で大勝した。仙育英#1は序盤は投球がばらついているように感じたが(与四球が多かった)、中盤以降は制球がよくなっていたと思う。
神村#1は序盤に失点したものの5回までは走者を許しながらも辛抱強く投げていただけに、早い回で1点でも返しておきたかった。神村は試合前のフィールディング練習でやや覚束ない印象だったが、中盤以降に守備が乱れてしまったのが痛かった。神村外野守備陣は試合を通じて非常に深く守っていたが、あそこまで相手打線に敬意を払う必要はなかったと思うが・・・。
この試合ではスリランカ人のスジーワ氏が二塁審判を務めていた。堂々としたジャッジが印象に残ったが、これからも更なるご活躍を祈りたい。

 
浦和学院v龍谷大平安
初戦屈指の好カードとの評判に違わぬ投手戦の接戦になった。安打は浦和学10本、龍平安3本だったが、最後までほぼ互角の勝負だった。ともに無得点のまま迎えた延長11回表、浦和学は二死二塁から7番の左前適時打で1点を勝ち越すと、さらに8番にも適時二塁打が出て2-0としてそのまま逃げ切った。
勝ち越しの場面はボールカウントが2-2となり、二塁走者が投球と同時にスタートを切っていた。その前の投球でも二塁走者がスタートしてファウルとなっており、おそらく2ストライク後は走者がストライクコースの投球を見てからスタートしていたものと思われる。この類の二塁走者のランエンドヒットは、昨日の静岡もやっていたと思う。
龍平安としては、11回表の守備の勝ち越しの場面で左翼手が少し後逸してしまい、打者走者の二塁進塁を許したため、次打者の二塁打で2点目を奪われたのが痛かった。その裏の攻撃で先頭打者が出塁したが、2点差のため攻撃の策が限られてしまったのが惜しまれる。龍平安はいいチームだったので敢えて厳しいことを言わせていただくと、内野守備陣のバックアップの動きは昨年のチームのほうが俊敏だったと思う。ただ、両チームともに守備は鍛えられていて投手を盛り立てていた。
春の澄んだ空気のなかで試合がおこなわれたため、両チームが死力を尽くしたと言うよりも、両投手が余力を残したまま11回を投げきったように感じる試合だった。

第87回選抜・第2日

今日は朝から晴天の一日で、午後からは浜風が強く吹きぬけていた。日差しも強くてもう春なのだと実感させられる日和だった。青空のもとで予定通りに3試合が行われた。
 

今治西v桐蔭
ともに2点を取り合った後の3回表だけは、今治西の打線に安打がつながってビッグイニングになった。このイニングだけは今治西の放った打球が野手の間に飛んだこともあり、下位打線で攻撃がつながったことが大量点に結びついた。今治西の下位打線はほかの4度の打席ではほとんど当たりがなかっただけに、桐蔭としては惜しまれる守備のイニングだった。
桐蔭は今治西先発#1の制球がよくないこともあって再三のように走者を出し、中盤まで安打が効果的に得点に結びついていた印象だっただけに、7回裏に1点を返して3点差となった場面でさらにあと一本が欲しかった。桐蔭打線はよく打ったと思うが、守備で喫した6つの失策が失点に直結したのが痛かった。両チームともによく点を取り合ったが、最終的には11-7で今治西の得点力が勝った。
 

立命館宇治v静岡
静岡は初回に1点を先制されたが、先頭打者を出塁させてもバントせず積極的な強攻策に徹した攻撃が中盤に実を結び、3回表に4点を挙げて逆転すると、5回表に3点を挙げて7-1として逃げ切った。相手投手が左投げでも、エンドラン、ランエンドヒットで一塁走者、二塁走者がスタートする場面が非常に多かった。試合の流れでいうと、2回裏の守備で二死二塁の場面のときに、二塁走者を捕手からのけん制で憤死させたのが大きかったと思う。静岡#2の肩(送球)がよかった。そして一塁手が指差しして打者走者の触塁確認をしているのが目にとまった。
立宇治は先制したところまではよかったが、中盤以降は静岡#1の投球の前にやや詰まった打球が多くてとらえ切れなかった。打線がやや力負けしてしまった印象である。
 

木更津総合v岡山理大付
1点を先制された木総合は3回裏、3番の適時打で同点に追いつくと、続く二死一三塁から4番の左越本塁打で3点を勝ち越して試合の流れをつかんだ。本塁打の場面は打者有利のカウント(2-0)になったあと、不用意にストライクを取りにいったことが惜しまれる。木総合は中盤に1点差まで追い上げられたが、7回裏に押し出し四球と2本の適時打で4点を追加して8-3で逃げ切った。
理大付#1はリードを許したあとも終盤まで辛抱強く投球を続けていただけに、中盤以降の攻撃で1点ずつ返して点差を詰めておきたかった。上位と下位に安打が出たわりに、理大付は肝心の中軸に快音がなかったのが響いた。そして木総合が何度か機動力(エンドラン)を使った場面があったが、その際に理大付の外野手は木総合の走者の脚力をあまり考慮しない守備が目に付いた。スタンドから見ていると、走者の速度と外野手が打球を追う速度にやや(相当の)開きがあった(まぁ…地元民として言わせてもらうと岡山県内には外野手が俊敏な動きをするチームはほとんど存在しないが)。
地元民としてもう一つだけ理大付に対してひいき目に見ると、木総合の安打は外野手の前に落ちるような打球が多く、決して力負けしていたわけではなかったと思う。そして両チームともに内野の守備はよく訓練されており、無失策の試合だった。好機では木総合の攻撃が長く、今年一年分のチャンス紅陵をこの1試合で聴いたと思う(笑)。

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