交流戦が終盤に差しかかる時期になり、2ヶ月ぶりに甲子園球場へ足を運んだ。私事だがこの2ヶ月の間に新しい生命を授かる幸運に恵まれ、私生活が激変してしまった。これまでと同じ頻度で現場へ赴くのは今後は難しくなるのかもしれないが、それでもこの球場を好きだと思う気持ちだけは持ち続けていたいと思う。球場に着いて最初に感じたのは、風向きが普段と違うこと。たしか晴れの予報のはずなのに、打者から見て追い風が吹いていた。この風がどう試合に影響するのかと思いつつ、ライトスタンドから試合を眺めることにした。
試合はソフトバンクが2回に一死三塁から#8の中前適時打で1点を先制。5回にも無死一塁から#27がバスターで左線二塁打を放って1点を追加した。8回まで1安打だった阪神は最終回にソフトバンク#19から1点を返してなおも同点の好機が続いたが、最後は代打#3が凡退して2-1でゲームセット。最後の場面で同点適時打を放った#67(一塁走者)に代走を出さない采配には首をかしげる。
ソフトバンクの先発は#17だった。1回裏の投球で1番と2番に続けて安打性の打球を打たれたが、ソフトバンク#46の好守もあって無得点に抑えた。その後は5者連続三振を奪うなど6回を投げて許した被安打1本と、想像していた以上に好投した。外野スタンドから見るかぎり(よく見えないが)、途中からは直球が急速以上に斬れていたようだ。阪神としては5回までで1安打ではちょっと厳しい。
最終回に試合がもつれたが、ソフトバンクが中盤から終盤にかけて追加点をあと1~2点挙げていれば、もっと早い段階で流れが決していた試合と言える。ソフトバンクは10安打を放ったものの得点はわずかに2点。上位打線の出塁する回数が増えないと、チーム全体の調子が上がるのは難しいのかもしれない。
ソフトバンクは5回表の攻撃で1点を挙げてなおも無死二塁の場面で犠打を失敗したり、4回裏の守備では一死二塁で中堅手が阪神#6の打球を捕球したあと、走者が離塁していた二塁への送球が乱れたり、ミスといっても過言ではないプレーがいくつか目についたが、この試合では結果に直結しなかったのは幸運だったといえよう。
気になったこととしては、阪神#1が2度二塁盗塁に成功した。1度目のはよく見ていなかったが、2度目に試みた盗塁は明らかにいいスタートだった。あのスタートを見るかぎり、ソフトバンク#17のくせを何か見抜いているのかもしれないと感じた。そして4回裏に阪神#00が三塁前へセーフティバントを試みたときの、ソフトバンクの二塁手と右翼手のバックアップが俊敏だったことに驚かされた(右翼手がやや右中間よりに守っていたせいもあろうが)。そして交代出場したソフトバンク#37は、イニングの合い間のキャッチボールに使ったボールをライトスタンドに投げ込んだり、阪神#25のボテボテの打球を見た(記録は遊安)阪神ファンがグランドに投げ込んだメガホンを係員に手渡したりしており、周りの見えるいい人なんだなと思った。最近は試合の途中でスタンドを後にすることが多くなったが、今日は久しぶりにプレーボールからゲームセットまで見ることができた。(観衆46843人、試合時間3時間16分)