高校野球観戦日記

高校野球を見たときことをつづります。 このブログはおもに毎年春と夏に更新しています。テレビに映らないプレーを見るのが宗旨です。

2008/03

3回戦・天理v華陵

試合開始前から雨が降りつづいており、試合が終わった今この試合をよく決行にこぎつけたものだと思う。途中までは私も屋根のないエリアで傘をさして濡れながら眺めていたが、寒さと雨の影響でさすがに思考力が低下してきた。服も徐々に浸水しはじめたため、4回表からは一塁側ベンチ後方の内野スタンド最上段に移動した。吐く息も白くなり、いつものことながら春の雨中戦は寒さが身に堪える。選手も集中力を最後まで維持するのは大変だったと思うし、気の毒だったとも思う。5回終了のあとのグランド整備で砂を入れたが、できればもう少しよいコンディションで試合をさせてあげたかったと思っているのは私だけではないたろう。春の大会ではたまにあることだが、試合の終盤は野球がまともにできるグランドではなかった。

試合は2回表に華陵が1点を先制したが天理はその裏にすぐ同点に追いつき、中盤以降は天理の打力が炸裂して14安打の猛攻で10点を挙げて10-1で大勝した。中盤以降、華陵は天理の投手に抑えられてしまった。試合のあとで映像を見たが、華陵の投手は途中で爪が割れて出血していたようで気の毒だった。

私は途中まで天理のブラスバンドのすぐ横でこの試合を眺めていたが、彼らは雨のなかでも傘もささず演奏を続けていた。選手と同様に、ブラスバンドや応援団の人たちにも恐れ入る。なおこの試合の主審は堅田氏(堅田氏は星稜v箕島の延長18回の試合で星稜の投手だった人)。彼がチーフアンパイアーを務めるのを初めて見たが、悪条件下での試合をうまくさばいていたと思う。いずれにしても、選手と違って審判はずっと立たされっぱなしの濡れネズミなので、この試合の審判団におかれては本当にお疲れ様だと思う。


3回戦・智弁和歌山v宇治山田商

雨中の熱戦となった。試合の途中からは、傘なしではとても観戦できないほどの雨に見舞われた。宇治山田商が4回裏に本塁打で先制、智弁和歌山は8回表に3番の適時打で同点に追いついた。試合は1-1のまま延長戦に入り迎えた11回表、智弁和歌山は一死二塁から二塁打と思われた一塁ベース踏み忘れの左ゴロの間に二塁走者が生還して決勝点を挙げた。この左ゴロのあとの場面では投手が二度も一塁手にボールを渡していたので、何が起ころうとしているのかすぐには気がつかなかったが、審判が右手を上げるのを見てすべてを理解できた。延長戦の緊迫した場面でも冷静に打者走者のベースタッチを確認していた宇治山田商の一塁手には頭が下がる。宇治山田商も10回裏に二死二塁とさよなら勝ちのチャンスを迎えたが、4番の打球は大きな当たりの中飛。中堅手の好捕に阻まれた。しかし本当のファインプレーは中堅手が前進守備をしなかったことだ。延長戦の裏の守りで二死二塁になれば、外野手が前進して本塁返球に備えるのはセオリーだろう。しかしこの場面では打者が4番だったこともあって(本塁打を放っていた)、外野手はほぼ定位置に構えていた。定位置付近に守っていなければ、あの打球は間違いなく中堅手の頭上を越えてさよなら安打になっていたことだろう。


3回戦・鹿児島工v平安(再試合)

引き分け再試合になった前の試合の蓄積があるからやや打者有利の展開を予想したが、両投手が好投した。鹿工は#1が登板するかと思いきや、先発投手は左腕の#10だった。試合は4回裏に二死三塁からの適時打で1点を挙げた平安が1-0で完封勝ちした。鹿工は登板しなかった#1が右翼で先発したが、その右翼を越えた三塁打で出塁した走者がその直後の中前適時打で生還したのは不運だった。あの三塁打の打球は右翼手が落下点まで入りかけていただけに、グラブに当てたが落として三塁打にしたことが今となっては悔やまれる。鹿工の選手は、誰もそんなことを思っていないだろうけどね。鹿工は平安を上回る6本の安打を放ったが、バント失敗などがあって走者が塁を進めることができなかったことが惜しまれる。


3回戦・東洋大姫路v八頭

昨年秋の中国大会で八頭が準優勝したと聞いたとき、今年の中国地方はレベルが低いのかと思ったものだが、私のその考えが間違っていたことがこの試合で証明された。両投手が初戦と同様に好投し、試合は投手戦になった。結果的には8回表に東洋姫が内野ゴロの間に挙げた1点が決勝点になり1-0で東洋姫がベスト8に進出したが、この失点だけでは投手を責められまい。この場面は一死一三塁で内野は併殺狙いの守備体勢、そしてバッテリーの狙い通りに二ゴロを打たせたのだが、左打者だったせいもあってか併殺を焦った二塁手がボールを落としてしまい一封しかできなかった。このプレーが明暗を分けたことになるのだろうが、ちゃんと捕球して二塁手から遊撃手に転送しても併殺を完成できたかどうかは微妙な打球だった。八頭は接戦に持ち込んで少ない好機をものにしたかったが、放った安打がわずか2本では攻略の糸口すらつかめなかった。八頭は序盤に何度か四死球で走者を出していただけに、先に1点でも取っていれば試合の行方は分からなかった。タイミングのいい投手の牽制球、軽快な内野守備陣のフィールディングなどを見ていて、八頭は私の想像した以上に好チームだったという印象である。

昨日の試合で引き分け再試合があったため、明日は予定が変更されて4試合がおこなわれることになった。天気は下り坂と聞いているし気温も低い予報のため、過酷で長い一日になりそうだ。最近の全国大会は引き分け再試合を勝ったチームが全国制覇しているので、鹿児島工v平安は注目の一戦といえる。早朝の試合という不確定要素がどう影響するのだろうか。


3回戦・長野日大v北大津

前の試合でともに6点を挙げた攻撃陣が沈黙、試合は1点を争う投手戦となった。しかしそれにしても、3回表、二盗三盗の直後のカウント2-3からのランニングスクイズで挙げた先制点が試合の流れを分けることになるとは、私の野球観が根本から揺るがされる思いだった。このような展開で決着する試合があること自体、かなり衝撃的だった。
試合は3回表にスクイズで、9回表に内野ゴロの間に1点ずつを挙げた長野日が2-0で競り勝った。北大津は7回裏に二死三塁と同点のチャンスを作ったが、この場面で7番打者の打球はいい当たりの三直。長野日大の三塁手がダイビングキャッチしてピンチを防いだが、抜けていれば同点だっただけに北大津にとってはちょっと不運だった。北大津はもう少し打てると思っていただろうが、長野日の投手が好投した。


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