高校野球観戦日記

高校野球を見たときことをつづります。 このブログはおもに毎年春と夏に更新しています。テレビに映らないプレーを見るのが宗旨です。

2007/03

高校野球・久々テレビ観戦

昨日からの体調不良のため、本日は4試合中2.5試合ほどをテレビ観戦。現場へ行くことができたにもかかわらず自宅でテレビ観戦したのは、2005年春の準決勝以来である。このときは3日前にW杯予選の日本vバーレーンを見に埼玉スタジアムへ行ったことが響き、甲子園球場で激しい頭痛に見舞われて帰宅を余儀なくされた。今回は雨のなか試合を眺めていたことがたたって、風邪気味になってしまった。遠征がつづくと体調の維持管理が難しい。ただ試合を眺めているだけとはいっても、こう頻繁に現場へ出向いていると身体には負担がかかるものだ。
そんなわけで今日は、自宅でのテレビ観戦の楽チンさを実感した一日だった。なんといっても、遅い時間に試合が終わってもそのあとで家に帰る必要がないのだから。早起きして現場まで赴く必要もない。これほど楽な思いをしてスポーツを見ることができるのだから、テレビの偉大さに感謝しなくてはならないだろう。
しかし試合を見ていて思ったのが、現場へ行かなくては知りえないことの多さ。テレビではグランド全体のうちのごく一部しか映像にならないため、野手全員の守備位置を知ることは不可能だ。試合前のノックも、当然のことながら映像になることはない(監督のインタビューが流されるため)。試合前のノックで外野手の肩の強さを知っておくことは、走者二塁の場面で外野へ打球が飛んだときの判断材料となるため非常に重要なことなのである。それを知らないまま試合を見ることは、考える要素なしで試合を眺めているのと同じだ。
結論として、試合がおこなわれているのと同時にどんなプレー(事実)が起こったかを知る分にはテレビ観戦でもよいのだが、なぜそのプレーが起こったのかを考えようとするとテレビでは不十分であるということだ。テレビでは投手の配球を説明してくれるし、打者の1打席ごとの成績も紹介してくれる。ただこれは外野スタンドに座っていても、試合を注意深く観察していれば知りえること。アナウンサーに言われて気がついているようでは、まだまだ甘いと言われても反論ができまい。そんなわけで、やはり現場へ行って試合を見るのがいちばんよいというのが私の結論である。今日は4試合中3試合が1点差の好ゲーム。最後の試合はナイターになった。そんな日に現場へ行けなかった自分の健康管理不行き届きを反省する次第である。次の週末は必ず現場へ行ってやる。


1回戦・県和歌山商v熊本工

試合開始前から雨が降るなかでおこなわれた試合。プレーにはそれほど雨の影響はなかったようだが、実はかなりの雨が降っていたため外野スタンドから眺めているだけでも過酷な状況だった。試合自体は序盤から両チームが点を取り合い、シーソーゲームの面白い展開になった。県和商は2度リードを奪ったが、いずれもその直後に失点したことが悔やまれる。特に4回裏はボークで二進を許した直後に適時打を許してしまった。このあたり、試合の流れは最初から熊本工だったのかもしれない。1点をリードされた熊本工は5回裏、一死一二塁からの連続長短打で一気に3点を挙げて5-3と逆転、6回裏にも1点を追加した。県和商も9回表に1点を返したが、わずかに及ばず6-4でゲームセット。
この試合で私が驚いたのは、熊本工は(試合の途中から)なんと7人の選手が左打ちだったということである。その多くの選手はかなりの脚力を備えているように思った。先制点も三盗と捕手の悪送球によるものであり、ボークは熊本工の機動力を警戒しすぎたせいだったのかも。雨と寒さのためか試合の途中から私の頭はすっかり機能不全に陥り、スコアをつけることはできたが頭がまったく働かないまま試合が進んでしまった。何も考えることができなくなるとは、猛反省である。結局体調不良を訴え、あえなく帰宅。翌日の4試合はテレビ観戦になってしまうという体たらく。

1回戦・今治西v都留

球場到着は午前9:05だった。甲子園球場のネット裏から一塁側内野スタンドにかけての外周を改修しはじめたのか、球場の外側がコンクリートではなくてつたの絵の描かれた鉄板で覆われていて驚いた。阪神タイガースショップも新しく移設されていた。スタンドに到着したときにはすでに試合は開始されていて、1回裏今治西の攻撃中だった。私の予想以上に両投手がいいピッチングをしたため、1点を争う投手戦になった。5回表に都留が1点を挙げて同点に追いつき、1-1で5イニングが終わった。こうなると現代高校野球で勝負を分けることが多いのが、グランド整備の直後の6回表裏の攻防である。一死二塁から6番が中前適時打を放ち、都留が1点を勝ち越した。しかしこの直後に試みた二塁盗塁で、今治西の遊撃手が落球したにもかかわらず二塁審判がこれを見逃してしまい、盗塁失敗に終わったことが結果的に響くことになる。5回まで1安打に抑えこまれていた今治西は、中盤以降ようやく安打が出はじめる。そして8回裏、今治西は敵失(微妙な判定だった)と2本の安打で迎えた二死満塁から5番が左前適時打を放ち3-2と逆転し、そのまま逃げ切った。逆転の場面は都留の左翼手がちゃんと本塁に返球していれば二塁走者の生還を許すことはなかったはずだが、送球は一塁側にそれてしまった。8回あたりからかなりの雨が降るなかでおこなわれた投手戦。今治西の打線が最後に少し上回ったということもできるのだが、都留には微妙な判定がいくつかあり、これが勝負を分けた感がある試合となってしまったことは残念である。


高校野球・組み合わせ決まった

また明日から高校野球がはじまる。私は延長15回引き分け再試合になる試合やノーヒットノーランの試合に立ちあったら、高校野球から身を引こうと固く心に決めていた。幸運にも昨年の夏、延長15回引き分け再試合となる決勝戦に立ちあうことができたが、最後に見た試合が勝敗の決しない中途半端な終わりかたの試合になることが(注:私は翌日の再試合を見ていない)どうしても納得いかなかった。再試合の優勝決定の瞬間に現場に居合わせることができていたなら、また違った心境にもなっていたのかもしれないが。そんなわけで、私は翻意するに至った。松坂大輔のような怪物が再び甲子園球場に現れ、春夏連覇をノーヒットノーランの試合で達成するという極上のその瞬間に立ちあうことができるまで、私は可能なかぎり甲子園球場に通いつづけようと思う。実際にかような偉業がこれから先、高校野球の歴史において達成されるかどうかは定かではない。いや、おそらくないだろう。つまり私はこの世に生を享けているかぎり、高校野球を見つづけようと心に誓ったわけだ。そのかわり、かような瞬間にもし私が立ちあうことができたなら、今度こそ本当に現場で高校野球を見るのはやめにしようと思う。

ところで今年の大会から、高校野球にも低反発ボールが導入される。さまざまな計算によると、平均して2メートルほど飛距離が落ちるという。昨年の夏の大会は風向きが違っていた影響もあって本塁打が乱れ飛んだが、これで今年からは減るのではないかと思う。しかしそれはあくまで、ちょっと減るという程度のものではないかと考えている。少なくとも、打高投低の傾向が変わることはないだろう。やはり現代高校野球において投手は消耗品であり、勝負を分けることのは打力なのだ。そして投手力で勝負を分ける要素があるとすれば、それはエースピッチャーではなくて2番手以降の投手だろう。現代高校野球において、一人の投手だけで勝ちきろう(優勝しよう)というのは、高校生の身体に負荷かかかりすぎて危険というものだ。いっそのこと、前の試合に投げた投手は次の試合では登板禁止にしてもよいのではなかろうか。

初戦の組み合わせを見ていい試合が期待できそうなのは、中京v千葉経大付、広陵v成田、関西v高知あたりか。2回戦で対戦する常葉菊川v仙台育英の勝者と今治西v都留の試合(仙台育英v今治西になる可能性が高い)、広陵v成田の勝者と北陽v鹿児島商の勝者の試合も好ゲーム必至だろう。優勝候補の筆頭・大阪桐蔭は、初日に日本文理と対戦する。不確定要素の多い大会初日の試合であり、日本文理は投手がいいので、油断は禁物だ。相手を侮ってミスを連発するような展開になれば、予想外の結果も十分に考えられる。ここを乗り切っても、準々決勝、準決勝あたりで強豪と対戦する組み合わせである。本当に強いチームであるかどうかが問われるトーナメントといえる。

郷土代表の関西は、初戦が大会5日目の第2試合。準々決勝以降が連戦になるこの組み合わせになった段階で、1人の投手に頼り気味の関西に決勝進出の可能性はなくなったといっていいだろう。しかも初戦の相手が神宮大会覇者で、四国大会優勝チームの高知。これはちょっと分が悪い相手との対戦と言わざるをえまい。ここ数年、関西の野球には細かいところが見受けられないので、接戦に持ち込んで後半勝負のような展開になったとしても可能性が広がるわけではないだろう。関西が勝つなら打力に物を言わせた展開と言うことになろうが、低反発球が導入された以上、それも期待薄である。関西には1試合で帰郷願いたいところだ。

いずれにしても、このトーナメントだと準々決勝の4試合はいずれも接戦が期待できる組み合わせになったと思う。大会が進むに連れて好試合の多い大会になることを期待しよう。

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